おれんじCornに行ってきた

 

地元におれんじCornというビアバーがあると知り、突撃してきた。夕方6時を過ぎた頃合いだが、全く人影はない。そこから9時過ぎまで、都合5杯ほどいただいたが、全くもって客は来なかった。以前は常連客も多かったというが、コロナになってから客足が遠のく一方だと言う。

 少しでも宣伝になるよう、レビュー形式にしておこうと思うんである。良し悪しの「悪し」の部分から書いていこうと思うんである。何故かというと、人間は上げて落とされるより、落としてから上げる方が好印象に受け取りやすいからである。好印象に書きたいくらいには、俺は気に入ったということでもある。

微妙だったところ

客が少なすぎて間が持たない

 まずもって、お客がいないということが致命的に難しい。これは人にも寄るんだが。誰かと話したくてバーに行く人は当然いるが、全くしゃべらずに黙々と酒を飲みたいという人もいる。俺はどちらかと言えば後者なわけだが、一対一ではしゃべらないわけにはいかないんである。

 これは店主が悪いというよりか、ご時世が悪い。もっとお客が入っていれば、一人ひっそり飲んでいることもできるわけだが。コロナが流行っている間は、そうもいかんのだろう。私のようにうっかり一人で入ると、無限にずっとしゃべり続ける必要が出てきてしまう。

食事が物足りない

 また、お食事のメニューがいささか狭いと言わざるを得ない。店内には野菜のおつまみ、ナッツ、ドライフルーツといったバー然としたものだけが書かれていた。自身でビールを選ぶ方式と言えば、有名店としてびあマが浮かぶ。北千住で角打ちしていた頃のびあマなら然ることながら、立派な飲み屋となった今のびあマはしっかりとした食事のメニューがある。

 俺の個人的な感覚だが、バーは乾き物だけでも成立する。ウィスキーやカクテルにウィンナーや唐揚げを食いたいと思う人間はいないからである。いや、いないことはないし、たくさんいるかもしれんが、バーで唐揚げは食わない。そこは許容されると思うんである。

 が、モノがビールであると、やはりガツンとした食い物が欲しくなる。全員が全員欲しいわけではないが、欲しくなる人間もいる。これは醸造酒と蒸留酒の違いなのかもしれん。日本酒やワインであっても、やはり酒だけを飲むというより、うまい食事と合わせたくなる。

 帰ってからホームページを見たら、実はウィンナーくらいはあったようなんだが。だったら、店内に掲示しておいて欲しい。正直なところ、冷凍食品でいいんである。目の前で冷凍餃子なり唐揚げなりをチンしてくれるだけでいいんで、ビールに合わせる、はっきりとした食い物が欲しい。

よかったところ

ビールチョイスが絶妙

 

 店内の一角に2つの冷蔵庫が並んでおり、お客はここから好きにビールを選ぶ。缶でも瓶でも、黒でも白でもIPAでも、自由に選べる。このサイズのお店で、これだけの種類のビールを置いてあるのは、かなりすごいことである。びあマやアンテナアメリカにはさすがに勝てないが、神田65と同じくらいはあるんじゃないか。

 びあマやアンテナアメリカは酒販店でもあるし、種類が豊富なのは当然といえば当然なんである。日本有数の繁華街であるから、見込める客の数も桁違いだろう。それと比べると、片田舎でやっているビアバーとは思えないほどの充実っぷりなのである。

 しかも、ビールのラインナップに偏りがない。ペールエールもIPAも黒も同じメーカから買ってきました、というんでなく、きちんとそれぞれ別個のメーカになっている。どうも飲んで美味しかったものを買ってきている様子で、それぞれのビールに仕入れた理由がある。

 どのビールを選んでも、そのビールに合ったグラスをちゃんと渡してくれるのも嬉しいところである。スタイルに合わせて4種類なんてこともなく、内容とメーカを考慮した上で、毎回新しいグラスを渡してくれるのは心憎い。

旅行話が面白い

 

 俺もビール好きとして、いずれはベルギーやドイツ、トルコなんかに行ってみたい。アメリカの名だたるビール工場に飲みに行きたいと思うんだが。先達の声を聞くことができるのは、大変にありがたい。どうやって安いホテルを探すか、どういったビールメーカなら直売所があり、タップルームがあるか。そんなことを行ってきた人から聞くことができるのは、貴重な経験である。

 例えば、俺はバラストポイントのエールやIPAが大好きなんである。バラストポイントのビールには毎回カサゴやマンタレイ、潜水服などが描かれているんだが。どうも創業者が大の釣り好きだったらしい。そういったバラストポイントの由来や工場の様子などの話を聞けたのは大変楽しかった。

総評として

 現在やたらに客が少ないこともあって、一人客にはなかなか厳しいところもあるが。約束までの時間合わせ、あるいは、ちょっと飯を食った後に数杯。なんてふらっと寄るのには素晴らしいビアバーなんではないかと思う。お近くに住んでいる方がいたら、ぜひ足を運んでみて欲しい。

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