ちゃんと終わらない作品が増えて、すれっからしのファンが生まれた

庵野秀明監督「謎に包まれたものを喜ぶ人が少なくなってきてる」に同意の声。既に「解らないもの=面白くないもの」として切り捨てられる時代が来ているらしい
「最近のオタクは難解な作品を楽しもうという気概がない」←事実だとしても、今と昔じゃ色々違うんじゃないかという話

 俺はこれを「コンテンツの焼畑農業」と呼んでいて、本来の焼畑農業は土壌の活性化や休耕地化などもあるらしいので、正確ではないらしいんだが。ようするに、ジャンルや業界にあった信頼感というのを火にくべて、その信頼感を焼き尽くすことによって短期的利益を得る手法だということである。

 「魔法少女ものだから、緊張せずにゆったり見られるよね」とか「うしおととらなんか終盤に畳んでくれたし、マンガって最後には全部回収して終わるもんだよね」とか、そういう他者が一生懸命に築き上げてきた読者との信頼感を。「たまには盛り上げるだけ盛り上げて、オチを作らずに終わってもいいよね」とか「たまには魔法少女が首から食われるアニメがあってもいいよね」という裏切りによって利益を得る。

 『エヴァ』がやったのも「そうは言ってもオチはつけてくれるよね」という信頼感を裏切って、最後の最後まで盛り上げて、利益を得たという形式なのであって。そこからのフォロワー作品も含めて、「完結への期待感」っていう信頼は焼畑されちゃったんである。「謎とか言ってるけど、どうせ終わんねえんだろ」というのが今の読者のお気持ちだろう。

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