要素てんこ盛りの娯楽バカ映画大作『ロボット2.0』

公式HP:https://robot2-0.com/
上映日:2019年10月25日
製作国:インド
上映時間:147分
視聴:2019/10/27

あらすじ

スマホが空中を鳥のように飛び去る事件が勃発。スマホに襲われて死ぬ人まで出る。
バシー博士が調査を進めると、鳥を愛した鳥類学者ラジャンの怨念によるものと判明。
かつて活躍し、闇に落ちたチッティを復活させ、ラジャンを退治する。
事件は一段落したものと思われたが、バシーの活躍を恨む宿敵によってラジャンが復活。
バシーの体を乗っ取ったラジャンとチッティは争うことになるが、清き心によってチッティは敗北。
封印されていた悪の心を取り戻し、遂にチッティは勝利を収める。

個人的な感想

要素てんこ盛り

映画は大まかに四つに分けられると思う。序盤はスマホが飛び去り、人々を襲う。ここにはサスペンスやホラーのテイストがある。中盤はチッティとラジャンの戦う緊迫のバトル。仮面ライダーや戦隊もののような人型の特撮っぽい雰囲気がある。勝負の決着がつこうとした瞬間から、ラジャンの回想が入る。ラジャンがいかにして人類に絶望し、怨念となったか。一部始終が描かれる。簡単に言えば、幼少期から鳥に愛され、鳥を愛した男がラジャンである。その鳥が携帯の電波によって狂わされ、空も飛べず、卵ももろく孵らないようになる。さんざんに社会活動や政治活動を繰り返した末、自殺するまでの顛末である。全てが終わったと思いきや、ラジャンは復活する。ここからチッティとラジャンとの怒涛のバトルが始まる。先の戦いが仮面ライダーだとしたら、今度は怪獣映画である。大量のチッティが合体した巨大チッティとスマホの集合体が繰り広げる巨大バトルである。ようやっと映画も終わると思いきや、さらにインド映画お得意のダンスが始まる。

ようするに、サスペンス、特撮、社会派ドキュメンタリー、怪獣映画といった要素が順序よく提示されていくわけである。順序よくというのがミソであって、これらの要素は全く混じり合っていない。個々別々にばらばらに出てくる。例えば、創作和食などといったら西洋のベシャメルソースを和食の茶わん蒸しに使ってみました、などといった融和なり調合なりを想像する。しかし、この映画は違う。場面ごとに全く異なる映画になっていて、それが交わることなく、ただただ進んでいく。

二時間以上もある映画だが、飽きなかった。面白いと思った。思ったが、これを万人に勧めようとは思わない。見終わって三週間ほど経った今でも、どういった映画かを言い表すことができない。違う映画を四本見たような感覚であって、消化できていない。傑作ではあるけれど、名作ではない。そういう感じがする。

ただ、個人的には同じインド映画のバーフバリよりはロボット2.0の方が好きではある。バーフバリは良きものは最後には勝利を収め、悪きものは敗北する。運命というものがあって、これが否応なしに人間を押し流すという思想が見える。本作もインド神話を下敷きにしているというレビューもあり、さもありなんと思えるが。少なくとも、チッティもラジャンも敗北を受け入れるだとか、あきらめるといった思想はないように見える。敵よりも敵らしいチッティが全てを手にする姿など、強かで面白い。消化不良ではあるが、好き勝手をして自由に作ったという感じもして、面白いと思った。

『ロボット 2.0』 大蛇と怪鳥が語るもの
https://note.mu/nagabodhi/n/n9c8aa15c7d29

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