部屋が寒いんである。エアコンをつければいいのだが、暖まるのに一時間そこらかかる。自室に帰って寝るまでに、せいぜい三時間である。一時間かけて暖めて、二時間使って、消して寝る。なんだかもったいない気がしてしまう。
そこで、一応計ってみよう、と部屋に温度計を置いてみた。俺は寒いと感じているが、この寒さは世間的に寒いのだろうか。大多数が寒くないというのであれば、この寒さは克服すべき寒さであると言っていい。
十四度。数字を見ただけではわからんので、検索してみる。すると、ちょうど似たような質問がある。「仕事から帰ってきた夫が暖房をつけろという。十四度である。これくらいなら厚着で我慢できなくないのじゃないか?」。その答えは「十四度は寒いだろ」「仕事帰りの旦那に暖房くらいつけてやれ」。どうやら十四度は十分に寒いらしい。
これで客観的意見は得られたし、俺が寒がっているのは不自然なことではない。であるから、部屋を暖める算段をつけていいわけだが。じゃあ、どうやって部屋を暖めるかである。先述した通りに、エアコンは効きが遅い。一時間の寒さを耐える間に厚着はするわけで、これだけ遅いと意味がないと言える。
ちょっと運動をしてみるか、と筋トレなどしてみたが。瞬間は暖まるが、すぐに冷える。疲れるばかりである。体温をあげるには、と考えてみると、百薬の長が思い浮かぶわけだが。毎日毎晩酒を飲んでいるとアル中になってしまいそうである。
果たして、どういうオチが来るのか、というと、ない。オチはない。部屋は寒いままである。暖房の算段がつかない。石油ストーブや電気ストーブなどの熱風を吐き出す類の道具は部屋が狭すぎて火災の危険がある。使えないので、オイルヒーターを検討しているんだが。これが世間の評価を見ると賛否両論なのである。どうしよう、こうしようと迷ったまま、一月半ばまで来てしまった。
冬が終わる前に、この問題にケリをつけねばならない。なんとなれば、寒い寒いと言いながら、迷ったまま春が来てしまう。
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