俺の考える最強の「ファイレクシア」ストーリー

 俺は三十七歳だが、未だにマジック・ザ・ギャザリングが大好きな男である。で、現在最新のセットで発表されたストーリーがあまりにもひどく、目下大騒ぎなんであるが。「ここが不満」「これがだめだ」と書き連ねてみても不毛だなと思ったので、「俺が読みたかったストーリーはこれだ」を書いてみようと思うんである。

 今回、敵の本拠地である新ファイレクシアに突入したわけだが、対策を打たれていたせいで、10人いた仲間がバラバラにされてしまう。この始まりは良いと思うのである。お約束といっていい。10人で団体行動しているとキャラの書き分けが難しいし、しゃべるのは数人とかになってしまう。

 今回の新ファイレクシアには5人の幹部、法務官というのはいる。味方は10人、敵は5人なんであるから、ここはぜひデスマッチをやって欲しかった。仲の悪いジェイスとナヒリが共闘して、大幹部エリシュ・ノーンに立ち向かったり。新入り忍者の魁渡とヴラスカが組んで、ギタクシアスに挑んだりして欲しかった。

 俺がジャンプを大好きだというのもあるが、やはり、互いに人数が決まっているのだから、「こいつとこいつが戦ったらどうなるんだろう」とか「普段は仲の悪い仲間がしぶしぶタッグを組むシーンがあったら熱いな」と思うのは道理だろう。

 今回、味方の何人かが裏切ることは一か月前から告知されていた。そこでストーリーは半分ネタバレをくらったようなもんだったが。せっかく裏切りがあるなら、そこにもドラマが欲しい。

 例えば、デスマッチで負けて、とらわれた恋人ヴラスカを救うために、裏切ったふりをするジェイスだとか。負けて、殺された上で、完璧に洗脳されてしまうだとか。あるいは、もう何年も前からとっくに裏切っていた、心底からの悪役とか。

 デスマッチの最中に、最も信頼していた仲間に後ろから刺される、というような展開は(嬉しいかどうかはともかく)盛り上がるだろう。自らの手で洗脳された仲間を討ったり、あるいは相打ちになったりしても(悲しいが)、盛り上がる。

 今回のストーリーは味方のやることが全部裏目に出て、最後は完全敗北して終わる、といういかにもマジック・ザ・ギャザリングらしいオチだったんだが。ここに至るまでの盛り上がりもいささか欠けていた。敵の法務官が出てこないからである。味方は全部自滅して負けている。

 長年の対決を待っていたファンとしては法務官の手練手管も見てみたかった。例えば、ギタクシアスは戦闘にはあまり向いていないらしく、機械化技術に長けている。専門の道具をいくつも使いこなして、チェスのように相手を追い詰める、とか。自身のフィールドにいくつも罠を仕掛けておいて、やってきた相手をクモのように追い詰める、とか。そういうバトルが見たい。

 逆に、ヴォリンクレックスなどは力のみを信奉する脳筋キャラだから、猪突猛進の恐ろしさを骨身に染みるように描いて欲しい。味方は死力をつくして戦うのだけれど、敵の圧倒的な力を前にして、やられてしまう。そういう展開なら、読んでいても納得感があるし、面白い。

 マジック・ザ・ギャザリングというのはTCGであり、カードで戦うゲームなのだから、バトルシーンがあると盛り上がると思うんである。マジック・ザ・ギャザリングのストーリーは映画を前提としたハリウッド式のシナリオとは違う。むしろ、その一冊を盛り上げられればなんでもいい、日本のマンガの需要にかなり近いと思うんである。次のセットを出すにあたっては、ぜひジャンプ編集者あたりにストーリー監修を打診して欲しい。

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